石蛙@柿本寺跡

 2017年9月中旬に奈良県天理市を訪れました。JR桜井線(万葉まほろば線)櫟本(いちのもと)駅近くの寺院跡で出会った石製の蛙達を紹介します。

石蛙その1@柿本寺跡
Fig. 1 石蛙その1@柿本寺跡

▼ 鮮やかな2両編成に乗車

 奈良駅からスカイブルー色の鮮やかな105系2両編成に乗り、3駅先で下車。無人駅で、駅前から静かな住宅地が広がっています。

 駅前から東方向に伸びる道を進むと、約100mで上ツ道(上街道)、約200mで国道169号線と交差します。国道を右折し約100m歩くと、左側に和爾下(わにした)神社の一の鳥居が見えます。

 神社の参道は公道になっており、左右に戸建住宅が軒を連ねます。参道を約150m進むと、左側に遊具が置かれた児童公園がありました。

 ここは奈良時代の歌人、柿本人麻呂が眠る寺院、柿本寺(しほんじ)の跡地。和爾下神社の神宮寺でしたが、明治初年に廃寺になったそう。

 中央部にこんもりとした盛り土があり、大木が幾つもの幹に分かれ葉を繁らせています。盛り土は歌塚と呼ばれ、人麻呂の墓とされています。

石蛙その2@柿本寺跡
Fig. 2 石蛙その2@柿本寺跡
▼ ユニークなポーズを取る蛙達

 墓の上に、様々な石製の蛙が鎮座していました。その数は13匹。

 背中に5匹の子蛙を乗せるいわゆる六蛙(むかえる=迎える)(Fig. 3)や、傘を差すアジア風の蛙がいました。中でも印象に残ったのは、土管によじ登る蛙(Fig. 1)と右手を上げ招き猫のポーズを取る蛙(Fig. 2)です。

 どちらの蛙も白目と黒目に体とは別の石材を使い、クリっとした目を表現しています。ユニークなポーズを取る蛙達を見ていると、初秋の残暑も忘れてしまいました。

 ベンチに腰かけていた女性に蛙の由来を伺ったところ、語呂がいいからでは?とのこと。残念ながら、歌人と蛙の関係を知る事はできませんでした。

 天理を訪れた際は、のどかな街並みを歩くと目の前に表れる蛙達に会いに、櫟本に足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

石蛙その3@柿本寺跡
石蛙その4@柿本寺跡
Fig. 3 石蛙その3@柿本寺跡
Fig. 4 石蛙その4@柿本寺跡

柿本寺跡 天理市櫟本町2993

■ 参考書籍
大和路小誌やまとみち127 帯解から「北山の辺の道」、櫟本へ 東海旅客鉄道


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