赤蛙公園@修善寺

 温泉で有名な静岡県伊豆市修善寺を訪れました。蛙にまつわる公園を見つけたので紹介します。

赤蛙公園
Fig. 1 赤蛙公園
▼ 川のせせらぎが聞こえる

 三島駅から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り約25分で終点の修善寺駅に到着します。駅から温泉街までは徒歩で約25分。街の中央を流れる桂川(Fig. 2)の近くに赤蛙公園(Fig. 1)という小さな公園があります。

 旅館が並ぶ通りから一本奥に入った風の小径を進んだ先にあります。小さなあづま屋があり、地面は苔むしていました。耳を澄ますと桂川のせせらぎが聞こえてきます。

桂川
Fig. 2 桂川
▼ 蛙を題材に命と運命を描く

 公園の名前は、結核を療養するため旅館に滞在していた島木健作の小説「赤蛙」に由来します。ある日筆者は、桂川の向こう岸に渡ろうとしている1匹の赤蛙を見つけます。

 最後には川の流れに流されてしまいますが、筆者は蛙の「生きることへの努力」と「運命に従順であろうとする姿」に感銘を受けたそうです。

 島木さんは、余命の短い自分の姿を赤蛙に重ねて見ていたのではないでしょうか。そしてこの小説の執筆からまもなく、1945年に42歳で生涯を閉じます。

赤蛙@青空文庫 赤蛙の内容を読むことができます。




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