信楽蛙の八相縁起

【伝説】信楽蛙は、奈良時代に大戸川(おおとがわ)をさかのぼり、聖武天皇の頃から信楽に生息すると伝えられています。また、”福帰る”と呼ばれ八相を備えている縁起の良い生き物とされています。ここでその八相(八か条)を紹介しましょう。

1.口・・・ボヤ・吸殻をパクリと呑み込み火災予防
2.腹・・・大肚に構えた腹にはへそがなく、落雷予防
3.食物・・・毒蚊・毒虫を食べ、害虫撲滅・無病息災
4.皮膚・・・災難を避ける保護色の鎧。
5.子蛙・・・常に親の責任を負い、子はしっかり親に従う
6.冬眠・・・断食・耐寒の時期に心身修養せよ。
7.前足・・・磐石に構えた脚は威風堂々、礼節を知る。
8.後足・・・屈伸活発、待機していない時は、跳躍前進せよ。

以上の8つです。前の4つは自然災害が起こらない事を祈り、残りの4つでは生きる上での知徳をうたっています。自然の恐ろしさを身をもって知っていた頃からの言い伝えといえます。

昔の信楽蛙
Fig. 1 昔の信楽蛙
現在の信楽蛙
Fig. 2 現在の信楽蛙

※ちなみに狸の八相縁起はというと、

1.笠・・・災難を避け、用心常に身を守る。
2.目・・・四方八方に気を配り、正しく物事が見られるよう。
3.顔・・・熱心に商売に取り組み、いつも愛想良くふるまう。
4.徳利・・・徳がもてるように。
5.道・・・世渡りに欠かせない、信用第一の帳面。
6.腹・・・慌てず、騒がず、そして大胆な決断力。
7.金袋・・・金運に恵まれるように。
8.尾・・・事の終わりは、大きく太くしっかりと。

こちらは人を諭す道徳的な内容が多いようです。たぬきは焼き物で擬人化されるように、より人間に近い存在だからでしょうか。

※写真は 大谷陶器さんからお借りしました。ありがとうございます。




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