横須賀線ラブソング

 2010年から通勤にJR横須賀線を利用している。これまで利用していた東京と横浜を結ぶ私鉄と違い、千葉から神奈川まで長い区間を走るため、通勤通学だけでなく、観光目的でも多く利用されている。

 湘南新宿ラインや成田エクスプレスが直通運転をおこない、北関東や成田空港にアクセスもよい。そんな多彩な顔を持つ横須賀線が歌詞に登場するラブソングを紹介したい。

紫陽花と横須賀線
Fig. 1 紫陽花と横須賀線

▼ 紫陽花のうた(浜田省吾)

 1952年に広島で生まれた浜田省吾は、1972年に横浜の大学に入学する。在学中にバンド「愛奴」のドラマーとしてデビューし、1976年にソロに転向する。

 学生時代を過ごした、横浜が舞台の曲を幾つか書いている。「ベイブリッジ・セレナーデ」は、本牧と鶴見を結ぶ橋の名前を曲名に付けており、ソロデビュー曲「路地裏の少年」の歌詞にも横浜が登場する。

 「紫陽花のうた」は、横浜のとなり街、鎌倉が舞台だ。主人公が恋人と横須賀線の北鎌倉駅に降り立った情景を描いている。

 時期は6月、紫陽花が綺麗に咲く季節。誰にも話せない恋だけれど、君と暮らしたいと願う。穏やかな曲調だが、ストレートな歌詞が心に響く曲だ。

朝の材木座海岸@鎌倉
Fig. 2 朝の材木座海岸@鎌倉
▼ せぷてんばあ(CRAZY KEN BAND)

 「CRAZY KEN BAND」のボーカル、横山剣は1960年に横浜で生まれた。1981年にバンド「クールス・ロカビリークラブ」のボーカルとしてデビューして以来、数々のバンドを率いてきた。

 横浜や横須賀を舞台にした曲を多く書いているが、「せぷてんばあ」は鎌倉が舞台。失恋した主人公は、横須賀線の終電で鎌倉の海に向かう。

 別れた恋人に未練が残る気持ちを夜の海を見ながら癒している。横須賀線の車両基地で眠る頃、泣きつかれて寝てしまう。

 シンプルなストーリーながら、失恋経験者に共感できるフレーズが歌詞のあちらこちらに散りばめられている。

 仕事で疲れ、つり革にもたれて乗る横須賀線のどこかに、ラブソングの主人公が乗っているかもしれない。そう考えるだけで、ありふれた車内の様子も少しだけロマンチックに思えてくる。

RESHNESS BURGER@鎌倉
夕方の由比ガ浜@鎌倉
Fig. 3 RESHNESS BURGER@鎌倉
Fig. 4 夕方の由比ガ浜@鎌倉

※ 写真(Fig. 1)は、磯子マガジンさんからお借りいたしました。
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