2017年10月中旬に、長野県佐久郡南牧村、山梨県韮崎市、山梨県甲府市を訪れました。公園の静態保存車両と博物館の模型を通じて、鉄道の進歩を振り返ります。
Fig. 1 C56 96号機@銀河公園 |
▼ 今にも走り出しそう
最初は、JR小海線野辺山駅(Fig. 5)。1970年代から1980年代にかけて、ディスカバー・ジャパンなど旅行ブームの頃は大勢の観光客で賑わいましたが、今は落ち着き、静かな雰囲気をたたえています。
駅前の銀河公園に、かつて小海線を走ったC56 96号機(Fig. 1)が展示されています。塗装も真新しく、黒光りした車体は、今にも走り出しそうです。
動輪が3つあるC形式は、馬力よりも速度に重きをおいた機関車で、客車の牽引に使われました。1972年に引退後、10年あまりSLホテルとして使用されたのち公園で余生を送っています。
Fig. 2 EF15 198号機 |
▼ 縁の下の力持ち
韮崎中央公園には、蒸気機関車と電気機関車が展示されていました。C12 5号機(Fig. 4)とEF15 198(Fig. 2)号機です。
C12は、C56の元になった機関車。栃木、北海道で働いたのち、戦後は山梨で活躍しました。
EF15は、戦後を代表する電気機関車。青色とクリーム色、ツートンカラーで客車を牽引したEF58と対照的に、褐色一色で貨車を牽引した縁の下の力持ち。
3両の貨車と車掌車を従えています。中央本線や身延線で長く活躍後、1986年に引退し、沿線の公園に展示される事になりました。
Fig. 3 MLX01-2(模型) |
▼ 高速鉄道のシンボル
最後は、山梨県甲府市の県立科学館。少子高齢化が進むなか、バラエティある展示が盛りだくさんで休日は多くの家族連れで賑わっています。
県内に超電導リニアの実験線があるため、関連した展示がありました。ボタンを押すと、コースを一周する精鋼な模型(Fig. 4)や、手で触れて超電導のしくみを体感できるかわいい模型など。
1964年の東海道新幹線0系以来、高速鉄道のシンボルとなった青色と白色のツートンカラーをまとい、館内を疾走します。次回は、本物の超電導リニアに乗車したいという思いを抱きつつ、博物館を後にしました。
蒸気、電気、超電導としくみは変われど、安全、迅速、快適に目的地に到着したいという人々の思いに変わりはありません。
Fig. 4 C12 5号機@韮崎中央公園
|
Fig. 5 野辺山駅
|
銀河公園 奈良市雑司町469、0742-22-0375
韮崎中央公園 奈良市雑司町469、0742-22-0375
山梨県立科学館 奈良市雑司町469、0742-22-0375