国道4号線を歩く
 2016年3月下旬と5月上旬に、東京都の東側を南北に走る国道4号線を上野駅から南千住駅まで歩きました。

踏切@上野検査区
Fig. 1 踏切@上野検査区

▼ 地上に現れる地下鉄銀座線

 昭和通りと日光街道、2つの道路はつながっていて三ノ輪橋駅近くの大関交差点を境に呼び名が変わります。両者を含む国道4号線沿いで興味をひかれたスポットを3点紹介します。

 上野駅から北方向に約10分歩くと、右側から踏切の警報音が聞こえてきます。しばらくすると右手に踏切(Fig. 1)と線路の先に停車している地下鉄銀座線の車両が見えました。

 ここは、修理や保全をおこなう上野検査区。通常の踏切とは異なり線路に柵があり、車両が通過する時以外は閉まっています。その理由は、感電防止のため。

 銀座線ではレールから電気を得る第三軌条という方式を採用しており、2本のレール以外に、電気が流れる3本目のレールが敷かれています。トンネルが小さくて済む反面、レールを踏む事で感電する恐れがあるという訳です。

トイレ@入谷南公園
Fig. 2 トイレ@入谷南公園
▼ 日本を震撼させた誘拐事件

 東京オリンピックを目前に控えた1963(昭和38)年、高度経済成長に湧く日本を震撼させる誘拐事件が起きました。吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐殺人事件です。

 犯行は主に国道4号線沿いでおこなわれ、誘拐現場は入谷南公園(Fig. 4)、死体遺棄現場は円通寺でした。犯人の小原保(こはらたもつ)は時計修理工で、三ノ輪に住んでいました。

 小原は、トイレ(Fig. 2)の水道で水鉄砲に水を入れようとしている4歳の吉展ちゃんを言葉巧みに誘いだし、2人は昭和通りを北に歩きます。日が暮れ、ぐずりだした吉展ちゃんに手を掛けた小原は、電話帳を元に身代金を要求し、警察のミスによりまんまと大金を手にし借金返済のあてに。

 電話の声から複数の通報がありましたが、自白による供述を取れず捜査は難航します。名刑事、平塚八兵衛による強引ともいえる取り調べでついに自白し、小原は死刑に処されます。

日替わりランチ@三好弥
Fig. 3 日替わりランチ@三好弥
▼ とんかつと中華の名チェーン店

 都内には三好弥(みよしや)という名前の食事処が多くあります。学生時代、神楽坂の店でとんかつや中華定食を美味しくいただいた記憶があります。

 その店は数年前に閉店してしまいましたが、南千住に同じ名前の店があると知り、足を延ばしました。どことなく懐かしさを感じさせる商店街、ジョイフル三ノ輪を左手に見ながら北方向に歩きます。

 約5分で右折すると、右側のショーケースに蝋製のメニューサンプルが並ぶ瓦屋根の店(Fig. 5)を見つけました。入店し、日替わりランチ(750円)(Fig. 3)を注文。

 ロースカツの他、スライスハム、南瓜の天ぷら、マカロニサラダと盛りだくさんのおかずに、味噌汁とご飯が付きます。ロースカツは、衣のサクサク感がたまりません。薄く輪切りにされたネギが浮かぶ味噌汁も出汁が効き、優しい味わいです。

 不思議さと悲しさと懐かしさが入り交じった国道4号線の散策を終え、南千住駅からJR常磐線に乗り帰宅の途に着きました。

入谷南公園
三好弥
Fig. 4 入谷南公園
Fig. 5 三好弥

上野検査区 台東区東上野4-25-18
入谷南公園 台東区松が谷3-23-7
三好弥 荒川区南千住5-3-3


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