北九州市公害映画上映会

 2018年8月14日に東海道かわさき宿交流館4階会議室で、以下の講演を受講しました。前半の映画では婦人会の運動がきっかけで公害の克服に至った事、後半の説明で訴訟に至らなかった北九州市特有の事情を知りました。

▼ 演題 公害を語りつぐ~北九州市公害映画上映会~
▼ 講師 川崎フューチャー・ネットワーク 三枝信子さん
▼ 場所 東海道かわさき宿交流館4階会議室
     川崎市川崎区本町1-8ー4
▼ 日時 2018年8月14日(火)13:30~15:30

洞海湾にかかる若戸大橋
Fig. 1 洞海湾にかかる若戸大橋
▼ 一貫した生活者視点

 映画・青空がほしいは、1965(昭和40)年に戸畑区婦人会が制作した。その後、北九州市がリマスタ処理し、字幕を付けた。

 映画の中で一貫しているのは、生活者の視点。公害被害の不平や文句を感情的に訴えるのではなく、冷静に淡々と伝えるナレーションが印象に残った。

 また、婦人会は企業に設備改善要求を行ったが、金銭的補償を求めなかった。そこには、八幡製鉄所を中心とした工業都市の成り立ちが大きく影響している。

北九州市環境ミュージアム
Fig. 2 北九州市環境ミュージアム

▼ 製鉄所の企業城下町

 1901年に国営の製鉄所ができ、それに付帯する形で発電所や化学工場ができた。いわば、北九州市は八幡製鉄所の企業城下町。

 多くの住民が、製鉄所や関連企業で働いているため、全面対決しにくい状況だった。また、企業もかつて国営だったため、住民の健康を守る責任を感じていた。

 企業、自治体、住民の3者が大きな衝突なく、改善に向けて努力し、青い空と綺麗な海を取り戻した。現在、北九州市には環境ミュージアム(Fig. 2)があり、公害克服の歴史や身のまわりのエコ、企業の取組を紹介している。


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