近鉄ローカル線で自然を楽しむ

 2020年10月上旬に、奈良県生駒市、北葛城郡王寺町、磯城郡田原本町を訪れました。近畿日本鉄道の生駒線と田原本線を乗り継ぎ、車窓から生駒山地と大和平野の自然を楽しみました。

王寺駅@近鉄生駒線
Fig. 1 王寺駅@近鉄生駒線
▼ 渓谷に沿って流れる清流

 鶴橋駅から近鉄奈良線快速急行に乗り約15分、ノンストップで生駒駅に到着。生駒トンネルを抜けた先には、緑の中にマンションや商業施設が建ち並ぶ新興住宅地が広がっていました。

 生駒線は南側のホームから発着。4両編成のワンマンカーが出発を待っていました。

 1駅先の菜畑駅までは高架の複線で街中の鉄道といった雰囲気ですが、次第に塗装が剥げた木製のベンチや、金属製の柵など、ローカル線を思わせるパーツが目に付くようになります。東山駅からは単線になり、元山上口駅近くでは車窓から渓谷に沿って流れる清流が見られました。

新王寺駅@近鉄田原本線
Fig. 2 新王寺駅@近鉄田原本線

▼ ケーブルカーを静態保存

 生駒線は、信貴生駒電気鉄道により信貴山朝護孫子寺への参拝鉄道として建設された経緯から、信貴山下駅のロータリーにはかつて東信貴鋼索線を走っていたケーブルカーが朱色とクリーム色のツートンカラーに塗られて静態保存されていました。その後出発から約20分で王寺駅(Fig. 1)に到着。

 改札を出て約150 m東方向に歩くと田原本線の新王寺駅(Fig. 2)があり、3両編成のワンマンカーが入線中。数分停車の後、帰路を急ぐ約30名の乗客を乗せて出発しました。

 全線が単線で構成され途中駅では約2分停車し、上下線の列車がすれ違います。田原本線は、明治時代に大和電鉄により開通、戦後信貴生駒電気鉄道に吸収され、その3年後に今度は信貴生駒電気鉄道が近畿日本鉄道に吸収されます。

ロータリー@西田原本駅
Fig. 3 ロータリー@西田原本駅

▼ 田んぼや、農家の古い土塀

 ゴトゴトのんびりと走りながら、車窓からは黄色に色づいた稲穂が首を垂れる田んぼや、農家の古い土塀が見られ和やか気持ちになります。新王寺駅を出発してから約20分で西田原本駅に到着し、ロータリー(Fig. 3)の側道を約100 m歩くと、近鉄橿原線田原本駅の改札がありました。

 同じ鉄道会社の路線でありながら駅名が異なり、改札を出たり入ったりしながら開通から現在までの複雑な経緯に思いを馳せました。

近鉄1252系@近鉄橿原線
近鉄8000系@近鉄橿原線
Fig. 4 近鉄1252系@近鉄橿原線
Fig. 5 近鉄8000系@近鉄橿原線


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