JFEスチール製鉄所見学

 2022年8月中旬、川崎市川崎区と横浜市鶴見区にまたがるJFEスチール東日本製鉄所京浜地区を見学しました。

貸切バス
Fig. 1 貸切バス
▼ 3原料から4工程で製造

 「川崎産業観光検定・ようこそ!かわさき検定合格者の集い」として開催されたイベントに参加。午後1時前に川崎駅東口近くに集合し、貸切バス(Fig. 1)に乗り込みます。

 川崎区水江町にある扇島正門(Fig. 2)から構内に入り、鋼管海底トンネルを通り扇島エリア(Fig. 5)へ。バスを降りて熱延工場を見学した後、車中から原料ヤード、高炉、製品岸壁を見学、最後にアメニティホール(Fig. 3、Fig. 4)で説明を受けました。

 橋脚や線路、自動車などに使用される鉄鋼は、鉄鉱石、石灰石、石炭の3つの原料から原料処理、製銑、製鋼、圧延の4つの工程を経て製造されます。扇島エリアには東側(川崎側)から西側(横浜側)に向かい、順番に全工程を行う施設が備わっています。

扇島正門
Fig. 2 扇島正門
▼ オレンジ色にまぶしく輝く

 アメニティホールでヘルメットと軍手を受け取り、熱延工場へ。階段を上ると、オレンジ色にまぶしく輝く板状の鉄が目に入ります。

 鉄は金属製のローラー上をゴロゴロと移動しながら薄く延ばされます。目の前を鉄が通ると熱気で顔が火照るほどで、相当な高温と思われます。

 工場を出る頃には、首筋にじんわりと汗をかいていました。場内では不純物の除去、機会の冷却、鉄の性能向上の目的で多量の水が使われ、96%が再利用されているそう。

アメニティホール内部
Fig. 3 アメニティホール内部
▼ 感謝し、製鉄所を後に

 車中からの見学では、2023年9月に停止を予定しているものの未だオレンジ色の銑鉄が見える第2高炉が印象に残りました。ホールでは、川崎製鉄と日本鋼管(NKK)が合併して成立したJFEスチールの成り立ちや、東日本、西日本2拠点での生産体制について、動画を交えて分かりやすい説明を受けました。

 高炉停止を前に、労働条件が変更される可能性があるなか、見学者を温かく迎えてくださったJFEスチールの方々に感謝し、製鉄所を後にしました。

アメニティホール外部
扇島エリア
Fig. 4 アメニティホール外部
Fig. 5 扇島エリア

■ 参考文献
イチからつくる鉄(農文協)永田和宏、山崎克己、2019年


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