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2015年9月下旬に、岐阜県岐阜市を訪れました。北と南に長良川と木曽川(Fig. 4)を擁し、きれいで豊かな水が流れる街を散策しました。
▼ 伏流水を水道に利用 JR岐阜駅から自転車で北東方向に約20分進むと長良川の右岸に到着します。さらに下流方向に約5分進むと、中央に「井」の字に似た岐阜市の市章が付いたコンクリート製の大きな門(Fig. 2)が右手に見えてきます。 右下には鏡岩水源地と書かれた石碑が埋め込まれています。1930(昭和5)年からこの地で長良川の伏流水を井戸から採取して水道に利用しています。 採取開始当初の建物が2棟残されており、登録有形文化財に指定されています。赤茶色の瓦屋根と灰色のコンクリートに円形の花崗岩を埋め込んだ壁を持つ山小屋風の形状をしています。
現在は、エンジン室(Fig. 1)が水の資料館、ポンプ室が水の体験学習館として利用されています。資料館では、説明パネル(Fig. 3)と模型で岐阜市における水道の歴史と現状を学べ、体験館では、陶器の壺に落ちる水の音を楽しむ水琴屈を体験できます。 伏流水を井戸から採取すると、通常川の水を直接採取する場合に必要な浄水設備が不要である事を知りました。 一方、豊かな水は恩恵ばかりをもたらしてくれる訳ではありません。長良川温泉ホテルパークの近くには川の増水に備えて陸閘(りくこう)が設けられ、過去の台風や豪雨による増水時の水位を示す案内板が掲示されていました。功罪を併せもつ水について考えさせられた散策になりました。
鏡岩水源地 岐阜市鏡岩408-2、058-265-4141 |