2012年3月中旬に京都を訪ね、仏像を中心に観て回りました。歴史の短さや戦乱の多さにより奈良に比べ古仏が少ない京都ですが、数多くの仏像を拝観できる寺院を紹介します。
Fig. 1 講堂@東寺 |
①東寺の立体曼荼羅
《行き方》
JR京都駅八条口徒歩15分。新・都ホテルを左に見ながら、油小路通りを南へ歩きます。イオンモールKYOTOを過ぎた最初の十字路を右折し5分程で東門に到着します。
《見どころ》
講堂(Fig. 1)に整然と並ぶ21体の仏像は、立体曼荼羅と呼ばれています。密教の教えに基づき、中央に5体の如来が、左右には同じく5体の明王と菩薩が、更にインドの神様、6体の天が両脇を固めます。
特に明王、天の躍動感あふれる表情に注目したい。明王群の中央に位置する不動明王は落ち着いた威厳のある表情、そして増長天と持国天の睨みを利かせた表情は思わず目を離せなくなるほど魅力的です。
全21体のうち16体が国宝に指定されており、これだけ多くの国宝を一度に拝観できるのは東寺講堂だけです。
Fig. 2 山門@大報恩寺 |
②大報恩寺の六観音
《行き方》
JR京都駅前から京都市バス206系統に乗り、約20分で千本上立売バス停に到着、住宅地の路地を西方向に5分程歩くと山門(Fig. 2)に到着します。
《見どころ》
本堂の奥に造られた、霊宝館の中央に並ぶのは6体の観音様。以前は、北野経王堂に安置されていたそうです。
鎌倉時代の作ですがとても状態がよく、女性的な滑らかな衣服をまとい、穏やかな表情をしています。170~180 mとほぼ等身大である事もあり、威圧感を感じる事なく、順番に拝観していると極楽に救われるような安らかな気持ちに浸れます。
中世以前の六観音が完全な形で残っているのはここ、大報恩寺霊宝館だけです。
■ 参考文献
神仏のかたち/観音菩薩 学研パブリッシング 2007年3月23日