紫香楽宮と信楽焼

 信楽焼の起源になったとも言われる紫香楽宮(しがらきぐう)について紹介します。

紫香楽宮という名前をご存知でしょうか?》

 平城宮(奈良市)や平安京(京都市)と比べるとあまり知られていないかもしれませんが、奈良時代に聖武天皇が建設した今の滋賀県甲賀市に存在した都のことです。

 この建設の際、瓦を焼いたことを信楽焼の起源とする説もあります。続日本紀(しょくにほんぎ)にも記述があり、江戸時代にも礎石が発見されるなどその存在は古くから知られていました。

 しかしその遺跡全体の発見は20世紀に入ってからと意外に遅く、決め手となった木簡が見つかったのは1960年代のことです。

 現在、紫香楽宮跡とされている宮町遺跡(甲賀市信楽町宮町)は、2000年に全長100 mもある朝堂とよばれる建物跡が発見されるなど、現在もなお発掘が進められています。

 ちなみに当初、紫香楽宮跡とされた旧紫香楽宮跡遺跡(甲賀市信楽町黄瀬・牧)は、現在では大仏が建立される予定だった甲賀寺の跡とされています。

※参考図書:新・史跡でつづる古代の近江(ミネルヴァ書房)
大橋信弥・小笠原好彦著


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