ケロミン誕生秘話・受講報告

 2012年10月6日に神奈川県立川崎図書館で、以下の講演を受講しました。
 かえるファン、技術者としてのこだわりやイグノーベル賞の授賞式での演奏の模様などを紹介頂き、盛り沢山の1時間半でした。

▼ 演題 ケロミン誕生秘話
▼ 講師 奥山雄司さん
▼ 会場 神奈川県立川崎図書館 川崎市川崎区富士見2-1-4
▼ 日時 2012年10月6日(土)14:00~15:30

講演案内の貼り紙
Fig. 1 講演案内の貼り紙
【1】カエルグッズとして

 かえるファンは、生物のカエルが好きな人とカエルグッズが好き人の2種類に大別される。

 生物のカエルが好きな人はもれなくカエルグッズも好きという特徴がある。ただし、グッズを集めるうちにデザインに満足できなくなる。

 リアルなカエルグッズには、以下3つの要素が要求される。

・ 目が外を向いている。

・ 口が直線的である。

・ 首が括れていない。

 以上を考慮して、専門のぬいぐるみ作家に作製を依頼し試行錯誤を重ねた。そして、水かきまで表現されたリアルで且つ可愛らしいケロミンの外観が誕生した。
休憩中のケロミン達
Fig. 2 休憩中のケロミン達

【2】楽器として

 電子楽器を作る際に、音源、音質、部品の入手に関する考慮が必要である。

 音源にはバイオリンなど各種楽器に加え、東京芸大のパイプオルガンの音色を採取するなどこだわった。演奏方法は人形の中に左手を入れ口を持ち、口のあけ具合で高さを調整し、右手で腕に付いているボタンを操作し大きさを調整する。これはオーケストラの楽器と同様である。

 スピーカーは価格に比例して良い音質になる為、高価なものを使用している。部品は型代が最も高く、1部品を作成するのに10~100万円かかる。

 1台で1つの楽器として様々な音色を出せる他、複数台で1つの曲を演奏するハンドベル的な使い方もできる。講演の前と後に実演が行われ、楽器としてアメージング・グレース、ハンドベルとしてきらきら星の演奏が披露された。

【3】ケロミンの歴史

 発案から試行錯誤を重ね、2006年6月に7、8台目が完成し、福岡と松本のかえるイベントに参加し、かえるファンの感想を聞いた。

 2010年に廉価版のコケロミンを発売した。2012年に主催者マーク氏に連絡し、イグノーベル賞の授賞式で演奏した。

 今後は、コミュニケーションツールや福祉関連で楽器以外の使い道も考えていきたい。


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