2019年4月下旬に、川崎市川崎区を訪れました。川崎駅東口から南方向に延びる、市電通りの近くにある寺院で見つけた石製の蛙を紹介します。
Fig. 1 石蛙@成就院 |
▼ 川崎市電の跡地を歩く
通り名の由来となった川崎市電は、第二次世界大戦中の1944年に開業しました。1969年、モータリゼーションの到来などの影響を受け、25年で運行に終止符を打ちました。
現在その痕跡は、宅地化を始めとする再開発の波に飲み込まれ、桜川公園に静態保存されている700形を除き見当たりません。かつて市電の車庫があった成就院前バス停で川崎市バスを降り、北東方向に歩きます。
Fig. 2 山門@成就院 |
▼ 生命力が強い木の下に
約5分で横断歩道の先にある山門(Fig. 2)を見つけ、脇の扉から中に入ります。中央に本堂、右側に庭園(Fig. 4)、左側に事務所があり、墓地は奥側に広がります。
本堂の手前に茂るソテツは、樹齢約300年。第二次世界大戦の空襲で燃えても息を吹き返した生命力が強い木の下に、石鉢と石蛙(Fig. 1)が置かれていました。
大きさは、幅約30 cm×高さ約20 cm×奥行き約30 cm。子蛙を1匹背負っています。
表面の磨滅が進み手など細部の造形は失われていますが、右側面に大きな丸い目を確認する事ができました。庭園の池を望むように座る石蛙の頭をひと撫でし、寺院を後にしました。
Fig. 3 八重桜@成就院
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Fig. 4 庭園@成就院
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成就院 川崎市川崎区渡田3-8-1