石蛙@成田山川口別院

 2016年8月下旬に、埼玉県川口市を訪れました。川口駅東口からほど近い寺院で見つけた石製の蛙を紹介します。

石蛙@成田山川口別院
Fig. 1 石蛙@成田山川口別院

▼ 鋳物と工場の街からの変貌

 川口市は古くから鋳物の街として栄え、明治時代以降、鉄道の開通とともに企業の工場が進出しました。戦後、鋳物産業の衰退や工場の地方、海外転出により生まれた広い跡地には、団地、マンション、公共施設が建設されました。

 サッポロビール埼玉工場はリボンシティに、日本車輌製造株式会社東京支店蕨工場は芝園団地に生まれ変わりました。また、公害資源研究所は川口西公園とリプレ(高層マンションに、国鉄貨物ヤードはキュ・ポラ(公共施設)になり、川口駅周辺はその姿を大きく変えました。

 交通の便がよく、距離的にも東京と近い事から、ベッドタウンとして高い人気があります。蕨市、戸田市、草加市など隣接する市町村と合併し、政令指定都市の登録をめざす動きもあるとの事。

不動明王
Fig. 2 不動明王
▼ 可愛らしさと勇ましさ

 そんな変貌著しい川口駅に降り立ち、東口(Fig. 3)から成田山川口別院に向かう川口本町通りを南東方向に歩きます。

 途中、壁面に画かれた空に向かって足を振り上げる赤い馬が印象的な中華料理屋を見つけました。駅から徒歩約5分で、成田山川口別院に到着しました。

 2011年に建て替えられたという本堂(Fig. 3)は2階建て。パンフレットによると1階に葬儀の際に使用が可能なホールや清宴所、控室などが設けられているそうです。

 2階に続く屋外の階段下に黒色の石蛙(Fig. 1)が背中に1匹の子蛙をのせて、鎮座していました。真一文字に結んだ口と半月を逆さにしたような大きな目が印象的で、意志の強さをうかがわせます。

 近くには金属製の不動明王(Fig. 2)もおり、手をあわせ日頃の加護に感謝しました。可愛らしい親子蛙と勇ましい不動明王が待つ、成田山川口別院にぜひ足を運んでみてください。

成田山川口別院
川口駅東口
Fig. 3 成田山川口別院
Fig. 4 川口駅東口

成田山川口別院 川口市本町3-3−17


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