蝦蟇石と陶製蛙@安楽寺

 2018年7月上旬に、佐賀県唐津市を訪れました。JR筑肥線唐津駅近くの寺で出会った、蛙を紹介します。

蝦蟇石@安楽寺
Fig. 1 蝦蟇石@安楽寺

▼ バランスよく三石を配置

 高架上にホームが設けられた駅の北口から北方向に延びる道路を約3分歩くと、唐津城にちなんだと思われる石垣と堀の先に唐津市役所がみえます。右隣にある唐津バスセンターを横目に、2回右折すると、五福の縁結び通りと名づけられた、プランターが置かれた道路が南方向に延びています。

 しばらく進むと、左側に金属製の門で閉ざされた奥に木製の山門が見えました。電話で見学させていただけるか確認し、了解後すぐに開門していただきました。

 本堂の前を右折すると、白い小石が敷き詰められた庭にバランスよく3種類の石が置かれています。それぞれ、蛇石、蝦蟇石(Fig. 1)、泣き石です。

陶製蛙1@安楽寺
Fig. 2 陶製蛙1@安楽寺
▼ リアリティのある姿

 このうち蛇石と蝦蟇石は、蛇と蛙を表しており、互いに睨みあっています。また、泣き石石は、風を受けるとしゅうしゅうと音が鳴り、これを聞いた安土桃山時代の武将、豊臣秀吉は、朝鮮出兵を取り止めたと言われています。

 寺の方にお話を伺ったところ、安楽寺はかつて豊臣秀吉が建造した名護屋城の近くにあったそうですが、その後江戸時代に現在の地に移転したそう。移転後、曾呂利新左衛門(そろりしんざえもん)が三石を配置した築山を造りましたが、1970年に本堂新築のため取り壊されました。

 それらの石はしばらく本堂の裏手にひっそりと置かれていましたが、南側に山門を作る際、新たに庭を造り、そこに三石を再度配置しました。本堂側から見るとより、蛇と蛙の姿に似ています。

 また、境内に置かれている3匹の陶製蛙は、交流のある福島県郡山市の瓦職人から寄贈されたものだそう。リアリティのある姿をしています。

 唐津を訪れた際、石と陶器の蛙が待つ安楽寺に足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

陶製蛙2@安楽寺
陶製蛙3@安楽寺
Fig. 3 陶製蛙2@安楽寺
Fig. 4 陶製蛙3@安楽寺

安楽寺 唐津市呉服町1818、0955-73-6311


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