勝念院の蛙達@伏見

 2017年2月中旬に、京都市伏見区を訪れました。京阪本線丹波橋駅の西側にある寺で出会った蛙達を紹介します。

蛙その1@勝念寺
Fig. 1 蛙その1@勝念寺

▼ 古くから水運の要衝として

 西に鴨川と桂川、南に宇治川が流れ、東に木幡山を含む桃山丘陵がそびえる伏見地区は、古くから河川を利用した水運の要衝として栄えました。また、清らかな湧水が多く、黄桜、月桂冠といった清酒メーカーが酒蔵を構えています。

 一方で京阪、近鉄、JRの3路線が通り、大阪、京都、奈良にアクセスしやすい事から、戦後に宅地化が進みました。その過程で、指月伏見城、木幡伏見城や大名屋敷など、戦国時代に豊臣秀吉が築いた建造物の一部が明らかになりました。

 東西南北に規則正しく通る路地が、かつての城下町のなごりを留めています。また、丘陵を背に鴨川に向かって歩くとなだらかな下り坂になっており、東高西低の地形を実感できます。

 大手筋通を西に歩き、近鉄京都線の高架をくぐり、京阪本線の踏み切りを渡るとアーケード付きの商店街が続きます。庶民的な雰囲気を感じながら、約50 m先を右折し、北方向に続く道を歩きます。

蛙その2@勝念寺
Fig. 2 蛙その2@勝念寺
▼ 境内には50匹以上の蛙

 木造の戸建てに混じって区役所、小学校、文化センターなど公共施設が点在する街並みを進み右折すると、小さな山門(Fig. 4)の奥に近代的な本堂(Fig. 3)がある勝念寺に着きます。境内(Fig. 3)には、陶器製、石製(Fig. 2)、コンクリート製(Fig. 1)の蛙達が並び、その数は50匹以上。

 中でも口を大きく開けたコンクリート製の蛙が印象に残りました。勝念寺には、織田信長から賜ったとされる閻魔法王と身代り釜敷地蔵が安置されています。

 地獄で釜茹での責めに苦しむ人の身代りになってくれる釜敷地蔵は、その名前からかましきさんと呼ばれ親しまれています。毎年4月に供養会が営まれ、仏像の拝観でき、甘茶が提供されます。

 身代りの語呂合わせから置かれていると思われます。伏見を訪れた際は、蛙達に会いに勝念寺に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

本堂と境内@勝念寺
山門@勝念寺
Fig. 3 本堂と境内@勝念寺
Fig. 4 山門@勝念寺

勝念寺 京都市伏見区石屋町521


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