富士宮・西町の蛙石

 静岡県・富士駅からJR身延線に乗り20分程の西富士宮駅近くに、蛙石があると聞き訪ねました。

富士宮の蛙石
Fig. 1 富士宮の蛙石

 駅改札を出て南東方向に続く商店街を5分程歩き少し右へ曲がったところにあります。駐車場の片隅にある木製の鳥居が目印。
 大きさは高さ70 cm×幅100 cmほど。これまで見てきたものと比べてかなり大きく、かたちも(三角形状でなく)横に長い長方形型をしています。左右上部のでっぱりが飛び出た大きな目のように見え、蛙がどっしりと腰を下ろしているよう。

湧玉池(わくたまのいけ)
Fig. 2 湧玉池(わくたまのいけ)
 この蛙石、地元には古くから2つの言い伝えがあります。1つは蛙石誕生の伝説、もう1つは疣(イボ)を治癒する神様の伝説です。
 ある夏の夜、天から降り注ぐ青い光とともに蛙石が落ちてきたとの事。隕石説もありますが富士山の噴火というのが正解のよう。よく見ると蛙石も溶岩が固まったあとのようにゴツゴツしています。
 また近くを流れる川の水を付けるとイボが治るというお話、蛙石神社として祭られる理由にもなっているよう。富士山の伏流水が湧き出る富士宮らしく水にちなんだ言い伝えです。現在も水を汲んだ入れ物が置かれていました。
 富士宮は富士山を御神体として祭る富士山浅間神社や、毎秒36 kLもの水が湧き出る湧玉池(Fig. 2)などがあり、霊験あらたかな土地のようです。近年「焼きそば」で有名になりましたが古くから伝わる名所を訪ね歩くのも楽しいものです。

西町の蛙石@平松皮膚科医院
富士宮市立郷土資料館 蛙石誕生の伝説を展示・紹介。


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