十番稲荷神社の石蛙

 2010年2月に、東京都港区麻布十番にある十番稲荷神社(Fig. 1)を訪ねました。本殿へ続く石段の右脇に、2体の石蛙が置かれています。

十番稲荷神社
Fig. 1 十番稲荷神社
 神社と蛙の関係は江戸時代に遡ります。この近くにはかつて備中成羽(現在の岡山県高梁市)の旗本(交代寄合)、山崎氏の屋敷がありました。

 屋敷内には500坪もの大きな池があり、大きなヒキガエル(がま)が住んでいるという言い伝えがありました。ある時周辺が火事に見舞われ他の家は焼けてしまいましたが、山崎家だけは大がまの放水により焼失を免れたそうです。

 それ以来山崎家、家臣の清水家は「上の字様」と呼ばれるお札を配り大盛況だったとの事。明治に入りその役目を神社が引き継ぎ、現在も「かえるのお守り」としてその形を留めています。

2匹の石蛙
Fig. 2 2匹の石蛙
 さらに近年、石蛙2匹(Fig. 2)が設置されました。ギョロリと大きな目をした独特風貌をし、新旧建築物が入り混じる街並みにもよく馴染んでいます。

 六本木ヒルズやミッドタウンなど近代的なビル群に囲まれながら、下町の雰囲気を残す麻布十番。次は、埋め立てられ小さくしまったがま池を見学したいと思います。

十番稲荷神社 港区麻布十番1-4-6、03-3583-6250


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